一見、大きな問題はないように見えるが、木村容疑者は父親とはうまくいっていなかったという。
「自営で運送の商売をしていた父親は仕事には非常にまじめです。それを家族にも求めるところがありました。気に入らないことがあると、子どもを叱りはじめて手がつけられない。それがあまりに延々と続き、母親が割って入っても『甘やかすからダメなんだ』とさらにエスカレートして。父親は母親とも折り合いが悪く、今は一緒に住んでいないはずです」
親族はそう話し、こう続けた。
「そうした状況が続いて、自室から出ないで楽しめるネットやゲームにのめり込むしかなかったようです。爆弾を作ったと報じられていますが、ネットにのめり込んだ結果、その方法を知ったというのであれば言葉もありません。本当にあんな怖い犯行を……。今も信じられない」
木村容疑者は、岸田首相に爆弾を投げつけるという犯行動機の一端かとも見られる文言をツイッターに書いていたようだ。
<「被選挙権年齢・選挙供託金違憲訴訟」広報>
というアカウント名で昨年6月に開設していた。木村容疑者の訴訟記録の写真なども掲載されていて、木村容疑者本人であることは間違いなさそうだ。
木村容疑者は昨年7月の参院選に出馬しようと届け出をした模様だが、被選挙権の30歳に達しておらず、供託金300万円も用意できなかったことから、断念を余儀なくされた。
木村容疑者は「精神的な苦痛があった」として、国に10万円の支払いを求める訴訟を弁護士をつけないで起こしていた。
初めてツイートしたのは昨年6月27日。
「参院選に立候補出来なかったとして、20代前半の原告が国を提訴しました。訴訟では、憲法15条で保障された成年者による立候補が制限されているか、選挙供託金は違憲かを争点としています」
と書いて、訴状の写真を添えている。
木村容疑者の訴訟資料で確認すると、昨年6月22日に神戸地裁へ提訴している。写真の神戸地裁の受理印も同じ日付だ。