ベルギー戦の最後は終了15秒前のカウンターに沈み2-3と敗れたが、メンバーのほとんどが欧州のビッグクラブでプレーするタレント軍団と激しく撃ち合った一戦は、日本代表のW杯史上最高のゲームとして多くの人々の心に刻まれたはずだ。
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それにしても、なぜ日本代表は予想を裏切る躍進を見せることができたのか。コロンビア戦では決勝弾を挙げたFW大迫勇也がヒーローとなり、セネガル戦で同点弾を挙げただけでなく、ベルギー戦では見事なミドルシュートでW杯で2点を挙げた乾貴士も、左サイドでのアクセントのある仕掛けで欠かせない戦力となった。守っては、酒井宏樹、吉田麻也、昌子源、長友佑都と並んだ4バックが安定感を見せていたことも見逃せない。
ただ、大会を通じて攻守に欠かせない働きを見せたという点では4試合すべての試合に先発したMF柴崎岳の名前を挙げないわけにはいかないだろう。
早くからその才能が注目された柴崎だが、代表に関しては2014年ブラジルW杯後に指揮を執ったハビエル・アギーレ監督のもと、15年1月のアジアカップを戦ったくらいで、縦に速い攻撃を好んだヴァイッド・ハリルホジッチ監督の体制時には「センスはあるが、フィジカルに難がある」として招集の機会すら限られていた。ロシアW杯についてもメンバー入りこそ果たしたが、当初は先発とは考えられていなかった。
しかし、日本代表のチーム状態が悪かったこともあり、メンバーを大幅に入れ替えて臨んだ大会直前のテストマッチのパラグアイ戦(6月12日、4-2で勝利)でFW乾らとともにアピールに成功し土壇場で先発の座を勝ち取ると「日本らしいサッカー」を掲げた西野朗監督のもとで、長谷部誠と並ぶボランチの一角として水を得た魚のように生き生きと輝いた。
「W杯で普通にプレーできている自分の成長を感じますし、そのためにスペインに行きました。スペインリーグにはW杯に出ている以上の選手もいますし、そこでやってきたことでW杯で有名選手と対峙しても落ち着いてできている部分はあると思います」