松尾さんは体験型書店「SENSE OF WONDER」を設立し経営者としても活躍している(画像=松尾さん提供)
松尾さんは体験型書店「SENSE OF WONDER」を設立し経営者としても活躍している(画像=松尾さん提供)

――そうすると、日々の不満が原因で福永さんと夫婦げんかすることはほとんどないですか。

 ありますよ! もちろん! でも、すれ違いすぎて修正が大変、ということはないように心がけています。ウチの夫婦の特徴は、多分すごくよく話をすることかなと。月曜など夫が休みを取れる日は、私もそこは予定を空けておいて、なるべく2人の時間をつくります。その時間は何をするわけでもなく、街を歩きながら話したり、ドラマを見たり。そうすると、ポロポロと話が出てくる。今、自分はこんなことを考えているんだとか。そこで何となくお互いにズレを感じていたことは調整できたりするんです。だから「改まって、話があります」みたいな深刻な状況にはなりにくいのかもしれません。(笑)

――とても理想的ですね。福永さんは競馬界というシビアな勝負の世界で生きていますが、レース前にピリピリしたり、機嫌が悪くなったりすることはないものですか。

 これは結婚して一番驚いたことなんですが、祐一さんはすごくフラットで波がない「凪」の人なんです。仕事では0コンマ何秒を競う世界にいるからこそなのか、家ではまったくピリついたところがなくていつも穏やかです。騎手としての実績を積むほど、よりそうなってきた印象です。結婚前にお付き合いしているころは、大きなレース前に「余計なこと言わないで」と言われたりして、自分が集中しているところに横やりを入れられたくない感じはありました。でもそれがどんどんなくなって、ずっとフラットな感じになっていきました。

 夫は自分の言葉で多くを説明するタイプではないので、私のほうが気配や空気を敏感にキャッチしたいなと思ってきたのですが、ここ数年はそんなことをしなくてもいいくらい、何でも「いいよ、いいよ。大丈夫やで」みたいな感じです(笑)。キャリアを重ねて結果を出してきたことによる自信がそうさせた部分もあるのかもしれません。

――福永さんのインタビューの受け答えなどを見ていると、確かに口数は多くなく、余計なことはあまりしゃべらない印象です。家でもそれは変わりませんか。

 世間の方はちょっと取っつきにくい印象があるかもしれませんが、本人はそれを意外に寂しがっています(笑)。後輩の騎手の方たちも用事がないと話しづらいと思われているようなんですが、彼は「俺はウェルカムなのに話しかけてくれないんだよ」ってボヤいてますから。口数が少ないから誤解されやすいけど、シャイな人好きっていう感じです。人を集めてバーベキューしたりもするんですが、自分から率先して話をするわけでもなく、横でニコニコしながら見ている感じ。そういう場にいるのが好きみたいです。みんなが帰った後に「いい会だったな」とかボソッと言ったりして、そういうところはかわいいなと思いますね。

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