2月末でジョッキーを引退し、調教師に転向した福永祐一氏(46)。妻の松尾翠さん(39)は、3人の子育てをしながらトップジョッキーを心身両面で支えてきた。「前編」では初のダービー制覇にまつわる秘話などを紹介したが、今回の「後編」では、勝負師である夫との暮らし、手のかかる子どもたちとの暮らしをどうやって切り盛りしていたのかを聞いた。妻だからこそ知る、トップジョッキー・福永氏の素顔とは――。
※前編<元フジテレビアナ「松尾翠さん」が初めて明かす 夫・福永祐一氏のダービー初制覇の裏にあった秘話>から続く
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――福永さんとの結婚前、松尾さんはフジテレビのアナウンサーとして活躍されていました。2013年からフリーアナウンサーとなり、結婚後は京都に移住されています。キー局の人気アナウンサーとしての生活から、京都で子育て中心の生活に変わることにギャップは感じませんでしたか。
最初は、夜の空があまりに暗いことにびっくりしました。東京は夜景もあり、空は深夜でも明るいですが、京都はお店が閉まるのも早くて夜は真っ暗。自然と生活が密接に結びついているんですね。私にはそれがすごく快適で、街のすぐそばに山や川があって、いたるところに自然の匂いが感じられる京都での暮らしは、とても水が合っていました。刺激という意味では、東京より少ないかもしれないですが、蛍が見えたり、知らない花が咲いていたりして、それを小さい子どもと一緒に見ながら成長していけることがとても楽しくて。もちろん両親や昔からの友人に会いたいなという思いはありましたが、心からの寂しさは感じずに過ごせていました。
――フジテレビのアナウンサーといえばとても華やかな仕事だと思いますが、アナウンサー時代のように、夜にパーティーに行くような生活はできなくなったのでは。
あははは(笑)。夜のパーティー、あったんですかね?(笑)
アナウンサーの仕事は華やかに思われがちですが、朝すごく早いか、夜すごく遅いかのメンバーが多くて。生活は、イメージよりもずっと普通で地味な気がします。私は、高校や大学時代の友達と新宿のゴールデン街などで飲むのが好きなタイプでした。西麻布系ではなくて、赤ちょうちん系(笑)。
もちろん、子どもが生まれてからは居酒屋にふとしたときにふらりと飲みに行く、なんていうのは夢のまた夢ではありますが、まあそれは人生のそのときのタイミングなので。「昔はよかったのに」みたいな気持ちはあまりない性格な気がします。今は、今!