「いずれ子どもができても、仕事を諦めたくないから、育休は夫にも検討してほしいし、夫も検討してくれている。制度は整っているので、普段から職場の関係性を良好に保っていれば、やっていけると思います」(女性)
エンジニアとしてプラント事業に携わる男性(28)も、同い年の妻と共働きだ。毎日の夕食はどちらかが作る。ある晩、彼が用意したのは、鮭のちゃんちゃん焼き、キノコのソテー、ごはんと味噌汁。調理時間は1時間程度。一汁三菜の縛りはない。
「家事の分担は特に決めていませんが、揉めたことはありません。もし片方が主婦か主夫として家庭に入ったら、家事は楽になるかもしれないけれど、その分片方が稼がなくてはいけなくなるので、結局労働量は同じになるのかな」(男性)
彼にとって、仕事は競争ではなく、家事もケアではなく、両方とも「生きるために必要なこと」。仕事をするのは稼ぐためであり、つらいこともあるが人とつながる楽しい場だ。
「子どもが生まれたり、仕事が極端に忙しくなったりしたら、今のところは、妻が『一度家庭に入る』と言っています。忙しさが一段落したら、また仕事復帰すると思います」(同)
もし妻から、家庭に入ってほしいと言われたら?
「妻に好きなことをしてほしいし、それで生活が成り立つなら、主夫になるのは構わない。いずれ社会復帰しないといけないから、子育てしながら資格を取るかな。その時になってみないと、わかりませんけど」(同)
二組の夫婦のライフステージは、これから変わっていく。
それぞれの世代が年を重ね、人生の新しい局面に向かい合う。AERAのテーマはそこにある。人が変われば、時代も変わる。(編集部・熊澤志保)
※AERA 2018年5月14日号より抜粋