
――実際、どのぐらいの利用があったのでしょうか。
200人ほどの子育て該当者がいるなか、制度を利用した職員は23人でした。きょうだいでの利用もありましたので、来所した子どもは31人でした。職員と同じ部屋で、本を読んだり、宿題をしたりして過ごしていたようです。小さな子の場合はおむつ替えやお昼寝が必要なので、個室に近い別室で過ごした職員もいました。その日に対面での仕事は入れず、入力作業などの事務作業をあてるように計画的に仕事をすすめ、制度を有効活用していたようです。
実は正直なところ、見込んでいた人数よりも少なかったという印象です。現在、実施前後の調査アンケートを回収中ですので、なぜ利用しなかったのか、そこはよく聞き取っていく必要があります。
――利用した職員の男女比は?
男性職員10人、女性職員13人とほぼ半々でした。女性の育児負担が社会問題になっていますが、豊明市では、男性職員の育児休業取得を積極的に推し進めていて、実際に多くの男性職員が取得しており、育児をこなすお父さんも多いという状況です。今回の制度についても、男女の制限は当初から全く考えておらず、議論にすら上がりませんでした。さらに、父母でなくてもよく、実際におじいちゃんにあたる職員がお孫さんを連れてきたケースも1件ありました。
――市長自身も制度を利用されたとのこと、いかがでしたか。
ちょうど息子の幼稚園面談や所用で、妻が子どもたちを見られなくなりまして。子どもたち2人を市長室で過ごさせ、この日の会議は皆さんにお願いして、市長室隣の部屋で執務を行いました。ドア1枚でつながっているので、子どもたちの状況を判断できるようにしたんです。活発なタイプの子どもたちなので、どうなるかという思いもあったのですが、午前中は落ち着いていました。子どもたちなりに、普段とは違う状況を理解して、過ごしていたかと思います。
ただ、午後になると飽きてきたのか、おにごっこを始めてしまいまして……。これはまずいと、急ぎ妻に連絡して用事は中断、連れて帰ってもらいました。予定していた利用時間より短くはなりましたが、この日、わが家は、制度に助けられたわけです。