「低年金、無年金になりそうな団塊ジュニア世代は、まずは自分が食べていけるだけの収入をしっかりと自分自身で確保すべきです。この世代はまだ40代で、あと24年間あるので、再チャレンジは十分に可能です。人材不足で悩む地方の仕事にも目を向けるべきです。地方での就労が進み、彼らが70代まで働くことになれば、2042年問題は大きく変わる可能性もある」

 団塊ジュニア世代が、時代の「端境期」にいるのは間違いない。その生き方が子どもたちの道標となり、もしかしたら、少子高齢化で停滞する日本社会の“突破口”となるかもしれない。第一生命経済研究所主席研究員の宮木由貴子さんはこう語る。

「団塊ジュニア世代は、時代に損をさせられてきたからこそ、価値観の多様性を広げてきました。自分の生き方や子育ても『正解』がない中で、先を切り開く強さを持つ世代です。この世代の“変わる力”はライフシフト時代の先駆けとなる可能性を十分に秘めていると思います」

(編集部・作田裕史)

AERA 2018年4月2日号より抜粋

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