3月9日に韓国・平昌(ピョンチャン)で開幕した平昌冬季パラリンピック。49の国と地域から570人の選手が参加する、冬季としては過去最大規模の大会となった。
【写真】選手と交流を深める香取と草なぎ。稲垣は選手にエールを送った
手足が不自由だったり、視覚障害があったりする選手たちが、アルペンスキー、バイアスロン、クロスカントリースキー、アイスホッケー、車いすカーリング、そして平昌大会から新たに加わったスノーボードの6競技80種目で競い合う。
日本は、惜しくも予選で敗退した車いすカーリングを除く5競技に、38人の選手を送り出した。目標は、2014年ソチ大会の6個を上回るメダルを獲得することだ。
だが、この6競技を過去に見たことがあるという人はどれほどいるだろうか。メダルが期待される選手の名前が言える人となると、さらに少ないのではないか。
競技や選手の詳細は後述するが、3月4日に東京都世田谷区の駒沢オリンピック公園陸上競技場で開かれた、日本財団パラリンピックサポートセンター(パラサポ)主催の「パラ駅伝 in TOKYO 2018」は、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて、パラスポーツの知名度を上げることを目的にしたものだ。
パラ駅伝は、視覚や聴覚などの障害者と健常者の8人に、視覚障害者のガイドを含めた9人が一つのチームになって競い合う。3回目の開催となる今回は、東京都や岩手県など自治体単位で構成される16チームとラオスから来日したチーム、吉本興業所属のお笑い芸人による「チームよしもと」の計18チームが参加した。
注目すべきは、この日の集客数だ。1万5千人分のチケットが1時間で完売し、2千人分が追加された。これは、スペシャルサポーターとして参加した稲垣吾郎(44)、草なぎ剛(43)、香取慎吾(41)によるところが大きい。
香取が開会式で、
「パラサポのキーワードでもあります『i enjoy!』。みなさんとエンジョイしたいと思います!」
と話した通り、3人は一日中会場を盛り上げた。
手話を使って応援したり、ランナーにインタビューしたり。「負けず嫌いなんです」というランナーの言葉に草なぎが「負けない気持ちですか。僕も見習いたいと思います」と答えるなど、彼らの一言一言に観衆が沸く。最後は、溝にはまって抜け出せなくなってしまった車いすの最終ランナーと3人が並走してゴール。競技場は手拍子と掛け声で埋め尽くされた。
3人は、15年11月にこの大会が初めて開催された時も、SMAPのメンバーとしてサポーターを務めた。以来、ファンの中には、全国で開催されるパラスポーツの大会に足を運ぶようになったという人も少なくない。