大河ドラマ「西郷どん」で注目される幕末と維新の豪傑たち。ドラマや教科書の中で語れない彼らのリアルな姿を、西郷隆盛をはじめとする末裔たちに聞いた。
●末裔座談会の参加者
島津家の子孫/島津義秀さん(54)
しまづ・よしひで/1964年生まれ。島津家の筆頭分家である加治木島津家第13代当主。初代当主忠朗は島津中興の祖・義弘の孫にあたる。鹿児島・精矛神社宮司。薩摩琵琶の弾奏者
大久保利通の子孫/大久保洋子さん(52)
おおくぼ・ようこ/1965年生まれ。明治の元勲で初代内務卿の大久保利通の直系の玄孫
西郷隆盛の子孫/西郷隆太郎さん(35)
さいごう・りゅうたろう/1983年生まれ。西郷隆盛本家直系の5代目(玄孫)
坂本龍馬の子孫/坂本匡弘さん(52)
さかもと・まさひろ/1965年生まれ。坂本龍馬の長兄・権平の直系子孫。郷士坂本家10代目当主
島津家の子孫/島津久崇さん(25)
しまづ・ひさたか/1992年生まれ。加治木島津家第14代。大学在学中に神職の資格を取得、精矛神社権禰宜を務める
川路大警視の子孫/川路利樹さん(40)
かわじ・としき/1977年生まれ。日本警察の父と呼ばれ、初代大警視(現在の警視総監)である川路利良の来孫
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──ご先祖の意外なエピソードはありますか。
西郷隆太郎:隆盛はカステラが大好きで、大久保と侃々諤々の議論をしていて、「もうよか!」と席を立っても、カステラはしっかり持って出ていった、という話があります。キセル好きで、キセルで頭を掻く癖があったそうです。キヨソネが描いた肖像画には、右頭部にキセルはげがあります。肥(こえ)が着物についたときは、「よか柄になった」で済ませて、肥料が減ったのを心配したそうです。器が大きいから、慕われたのかもしれませんね。
島津義秀:義弘公は文禄・慶長の役に、瞳孔の大きさで時間を計るために、7匹のネコを連れていきました。うち2匹が生き残って鹿児島に戻りますが、1匹のトラネコを義弘公の子の久保(ひさやす)が可愛がり、ヤスという名をつけた。そこから、尻尾の短いトラネコのことを鹿児島ではヤスネコと呼びます。我が家もネコを飼っていて、名前はキキです。