開会式の行われた平昌五輪スタジアム前の川は完全に凍ったまま(撮影/栗原正夫)
開会式の行われた平昌五輪スタジアム前の川は完全に凍ったまま(撮影/栗原正夫)
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極寒を象徴したスキー・ジャンプ会場(撮影/栗原正夫)
極寒を象徴したスキー・ジャンプ会場(撮影/栗原正夫)
観客の服装からも、冷え込み具合がわかる(撮影/栗原正夫)
観客の服装からも、冷え込み具合がわかる(撮影/栗原正夫)

 平昌五輪が閉幕した。開幕前から極寒の中での開催という運営面での不安などが伝えられていた。夏季五輪を控える東京が学ばなくてはいけないことは──。

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 些細な不備を挙げればキリがないが、終わってみれば現地で取材にあたっていた各国のメディアからは好意的な声も多く聞こえてきた。

 カナダのテレビクルーとして夏冬合わせて8度目の五輪取材だったというリチャード・ベレッティ氏は平昌五輪の運営面の印象についてこう話す。

「交通手段や寒さ、外国語(英語)での案内など、すべてが完璧だったわけじゃない。ただ、韓国の人々からは、それを上回る親切さや懸命さを感じた。例えば道に迷えば一緒についてきて案内してくれたり、極寒の中でもボランティアのスタッフが嫌な顔ひとつ見せず笑顔を絶やさなかったりね。ホスピタリティーという点では、私がこれまで取材してきた五輪のなかでも屈指のすばらしさだった」

 極寒の中、山間部で行われたアルペン競技が厳しい環境だったのは否定できない。例えば、高梨沙羅(クラレ)が銅メダルを獲得して話題になったノルディックスキー女子ジャンプのノーマルヒル。筆者も取材に訪れたが、競技開始の21時50分の気温は氷点下13度だった。

 途中強風で中断する場面もあり、すべての競技者がジャンプを終える頃には時計の針は午前0時に迫っていた。観戦者には山間部の平昌ではなく、約40キロ離れた海岸沿いの江陵に滞在している人も多く、午前1時過ぎの最終電車に間に合うかどうかを気にかけている人も多かった(スピードスケートやフィギュアスケートなどの氷上競技は江陵を中心に行われた)。山あいから吹き下ろしてくる風は尋常じゃないほど冷たく、あまりの寒さに中断のたびに途中で観戦を諦める人も続出したが、そんな状況下でも選手は競技に臨まなければならない。

 選手は寒いからと観戦者のように防寒対策を取れるわけではない。競技の後には屋外での取材対応もある。「手がかじかんでメモもまともに取れない」と記者が嘆くなか、選手は何を思ったのか。

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