「栄養バランスをきちんと」「たんぱく質を意識して」などというと、自炊のハードルが上がってしまう。もちろん、自炊には栄養バランスを配慮できるほか、添加物などにも気をつけることができる、節約になるなど、メリットがたくさんある。でも、頑張りすぎて続かなくなってしまうのは本末転倒だ。外食やお総菜も上手に取り入れながら、3食コンスタントにたんぱく質をとっていきたい。
早稲田大学の宮地元彦教授が監修し、栄養士で料理家のほりえさちこさんが料理を担当した『たんぱく質の基本とレシピBOOK』は、コンビニの活用をすすめている。今は低糖質ダイエットの流行や、たんぱく質の重要性がよく知られるようになったことで、たんぱく質が豊富な食品のラインアップが大幅に増えている。肉・魚といった動物性のものだけではなく、豆類・大豆製品など植物性のものも充実。確かに、活用しない手はない。
実際、コンビニの棚には、食卓の定番になったサラダチキンはもちろん、切り身魚やいかの焼き物、かまぼこ、卵焼きなど、そのままおかずになるものも揃っているので、活用すれば時短にも役立つ。片手でパパッと食べられるたんぱく質強化食品もずらり。朝食をとる時間がないとき、あるいは運動前後などにも食べやすい。
動物性と植物性、どちらのたんぱく質でも、筋肉を増やす働きは変わらない。意識したいのは、体内で合成できない「必須アミノ酸」がバランスよく含まれていることだ。肉、魚、卵、乳製品、豆、大豆製品は、いずれもアミノ酸バランスのよい食品。筋肉を合成するときに働く必須アミノ酸「BCAA」は動物性たんぱく質に多く含まれるが、脂質も多くなりがちというデメリットもある。動物性、植物性のどちらもバランスよくとって、いずれかに偏らないこと。