【図】個人による寄付総額と名目GDPに占める割合を4カ国で比較すると…(AERA 2018年2月5日号より)
【図】個人による寄付総額と名目GDPに占める割合を4カ国で比較すると…(AERA 2018年2月5日号より)
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 社会問題をビジネスの力で解決することを目指す「ソーシャルビジネス」を行う社会起業家が近年、増えつつある。そうした事業は資金面で壁にぶつかることも少なくないが、実は私たちも、彼らを支援することができる。

 社会起業家たちが手掛けるソーシャルビジネスの受益者は、子どもや高齢者、貧困層、被災者といった社会的弱者であることが少なくない。十分な対価を得ることが難しい以上、多くの社会起業家は「活動資金をいかに調達し事業を継続させるか」という課題に直面せざるを得ない。

 ソーシャルビジネスの主な財源は三つ。委託金、事業収入、寄付や会費だが、国の財政赤字を背景に行政からの委託金予算は削減が続く。

 日本ファンドレイジング協会の三島理恵さんによれば、現在、社会課題の解決のために「民間」から入ってくる資金は1.5兆円。三島さんは言う。

「これを10兆円まで増やす必要があります」

 求められるのは、「社会的投資」によって生み出される資金循環と、寄付市場の拡大だ。

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