現在このサービスは、KDDIとソフトバンクが提供している。価格はいずれも月額390円。トラブルが起きた時に「副回線側」に切り替えることで、通話やメールなどが行えるようになる。KDDIの利用者が回線トラブルにあったら、ソフトバンクの回線を、ソフトバンクの利用者がトラブルにあったらKDDIの回線を利用できるというものだ。

■副回線サービスに絡む2つの課題

 とはいえ、副回線サービスには、気をつけなければいけない点が複数存在する。

 1つ目は、2つの回線を扱えるスマホでなくてはいけないこと。

電話番号などを書き込んだ「SIMカード」を2枚差す、もしくは「eSIM」というネットワーク経由でSIMカードと同じ情報を書き込む仕組みを持った仕組みを搭載しており、2回線が使える機能を持っている必要がある。

 マニアックな機能に思えるかもしれないが、すでに意外と一般的な機能になっており、iPhoneをはじめとして、ここ2年ほどの間に発売されたスマホの場合、対応済みの場合が多い。もちろん、すべてのスマホが対応しているわけではないので、確認が必要だ。

 2つ目は「コスト」。毎月390円かかる上に、メーンの回線の「通話し放題」「データ使い放題」などの割引は適用されない。通信速度も最大300kbpsまでに制限されている。それは、トラブル時に多くの人が一斉に副回線へと切り替えた際、切り替えた先の事業者が混雑で「共倒れ」になることを防ぐための施策でもある。あくまで一時的な利用のためのものという位置づけだ。

■格安回線も活用できるが「多少の知識」が必要

 実のところ、もうひとつの回線の用意自体は難しいものではない。要はメーン回線以外の事業者を追加で契約し、同じスマホの中に入れておけばいいのだ。

 最近は毎月数百円という低価格なプランも増えているので、それらを新しく契約すればいい。「副回線サービス」には通信速度制限があるが、自分で事業者を選んで回線を追加するなら、その制約はない。

 ただ、安価なプランをもうひとつの回線として選ぶ場合には、多少の知識が必要になる。

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副回線を選ぶときの注意