「工場直結ファッションブランド」を謳うファクトリエは、工場直販ブランドの商品をオンラインで販売。店舗もあるが、そこでするのはフィッティングのみだ。目指すのは、「マーケティング型」ではなく「のれん型」のビジネスだという。
世界でもトップクラスの日本の工場と提携し、商品には工場名のタグを付ける。運営会社ライフスタイルアクセントCEOの山田敏夫(35)は言う。
「いいものづくりを残す方法を考えたい。『安く早く』ではなく、それぞれの工場の『ベスト』を尽くして作ってもらうことが目標です」
製造原価は工場が決め、小売価格はその2倍。例えば、等級1のカシミヤニットで2万円の商品の製造原価は1万円だ。普通なら、5万円ほどで売られるものだという。
好みの多様化を細かなブランドに落とし込んで2千億円を売り上げるのは、アダストリアグループ。国内外で22ブランド、約1400店舗を展開中だ。経営部長の高野美香(47)は言う。
「ニッチなマーケットひとつひとつに向けてブランドを立ち上げていきました」
地球規模で同じ商品を売るファストファッションか、究極のカスタマイズか。どちらが世界を制するのだろうか。(文中敬称略)(編集部・柳堀栄子)
※AERA 2018年1月29日号