ZOZOTOWNを運営するスタートトゥデイ代表の前澤友作は「人が服に合わせる時代から、服が人に合わせる時代へ。」とツイート。予約開始から10時間で約23万件の注文が入った。データ流出だけはしないでほしい(写真:ZOZOTOWN提供)
ZOZOTOWNを運営するスタートトゥデイ代表の前澤友作は「人が服に合わせる時代から、服が人に合わせる時代へ。」とツイート。予約開始から10時間で約23万件の注文が入った。データ流出だけはしないでほしい(写真:ZOZOTOWN提供)
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 採寸用ボディースーツの無料配布。そんなSF映画のようなことが、実際に起きた。しかも日本で。2017年11月、ファッション通販サイト「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」がプライベートブランド発売に先立って開発した「ZOZOSUIT(ゾゾスーツ)」のことだ。

 ニュージーランドのソフトセンサー開発企業と共同開発した黒い上下のスーツを着てスマートフォンをかざすと、あらゆる部分の寸法の計測データがブルートゥースを通じてアプリに蓄積される。

 ファッション通販の最大の課題だった、「試着ができない」という不安を解消するのがこのスーツの目的。プライベートブランド「ZOZO」では、S、M、Lというサイズにとらわれないフィット感のある製品を作りたいという。

 他のファッション通販サイトも同様の課題解決に取り組む。

 カスタムシャツブランドの「Original Stitch(オリジナル スティッチ)」は、13年にシリコンバレーでサービスを始めた。店舗はなく、販売はオンラインのみ。シャツをオーダーする際にサイズがわからなければ、手持ちのシャツをA4サイズの紙と共にスマホで撮影。これでシャツのサイズが自動採寸される。自分の顔と肌を撮影すると、AIが瞬時に似合うシャツを提案してくれる機能もある。

 在庫は持たず、生産は注文が入ってから。オーダーされたシャツにはひとつひとつID番号が振られ、データは直接、長野県内にある工場に送られて、すぐに製作に取りかかる。完成までは2週間程度だ。

 日本のジェネラルマネージャー、上垣賢司(37)は言う。

「自動化が難しいのは縫製です。生地は伸びるし、ボディーの形に合わせて縫っていくのは職人芸。日本製にこだわるのは、その部分で品質がいいからです」

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