※写真はイメージです(gettyimages)
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 3月末付で、旧・東京都小学校PTA協議会(都小P、現・東京都PTA協議会)は日本PTA全国協議会(日P)から退会した。日Pは都小Pの事実上の上部組織で、全都道府県と一部政令指定市のPTA組織、計60以上の団体が加入する。都小Pの佐瀬洋行副会長に退会決定にいたった経緯を聞いた。

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「2022年7月に都小Pが総会で日P退会を決定したとき、一部のメディアは面白おかしく書きましたけれど、われわれは日Pとけんか別れしたわけではまったくありません。今回、都小Pが日Pから退会することを決めたのは、お互いの『活動の方向性が違う』からです。ところが、日Pに払う会費が負担だから抜ける、みたいな書き方をずいぶんされました。正直、心外ですよ」

 と、佐瀬副会長は今も苛立ちを隠せない様子で語った。

 都小Pは東京都の公立小学校のPTA会員約9万人から年会費20円(児童1人当たり)を集め、そのうち半分の10円、トータル約90万円を日Pに支出していた。これをふまえ、都小Pの退会の理由は、会員から集めた会費の半分を納めることの「メリットが乏しい」などと報じられたのだ。

上意下達の運営

 では、都小Pと日Pとの「活動の方向性の違い」とは何か?

「日Pは、日常的にPTA活動を行っている保護者の目線から、あまりに離れてしまったんですよ」

 そんな疑問が10年以上前から都小P内ではくすぶってきた。

「例えば、日Pの代表者会に出席すると、文部科学省からの通達のような文書が読み上げられる。そして『この文章を持ち帰って、みなさんに伝えてください』と言われる。そんな上意下達の運営であることが否めない。各都道府県PTA組織とのつながり、情報交換に多くの時間を割くこともありません」

 PTA会員は全国約800万人。その多くは児童生徒の保護者だ。PTA組織は事実上、ピラミッド構造をしており、頂点にある日P以下、都道府県・政令指定市のPTA組織、市町村のPTA組織、各学校のPTAという階層で構成されている。

新型コロナで噴出した不満

 上意下達の運営であったとしても、日Pがきちんとリーダーシップを発揮してくれれば、今回の退会決定にいたらなかったかもしれない。しかし、新型コロナ感染症が広まった3年前を境に、日Pのあり方への疑問が膨らんだ。

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会員制度も廃止したワケ