そう語るウォルターズさんの分析は、世論調査の結果とも一致している。94年以降、米国有権者の傾向などを、政治的中立な立場で定期的に調べているPewリサーチセンター(ワシントンDC)が、今年10月5日に公表した最新の世論調査だ。調査は、今年6~8月の各数日間の3回、全米計5009人の18歳以上を対象に、英語とスペイン語を使って電話で行われた。
顕著だったのは、人種や移民などに対する基本的な価値観の違いが、共和、民主両党支持者の間で過去最大となったことだ。例えば、「黒人が社会で前進できない背景には人種差別がある」という設問で、Yesとしたのは、民主党支持者が64%、共和党支持者が14%と、50ポイントの違いが出た。このギャップは2012年までの調査では20ポイント以内におさまってきたが、2期目直前のオバマ政権だった12年以降は徐々に開き、トランプ政権となった今年の調査でさらに広がった。
また、「政府は貧困対策をもっと講じるべき」としたのは、民主党支持者71%、共和党支持者24%で47ポイントのギャップ。「移民は、その勤労と才能で国を強くする」としたのは民主党84%、共和党42%で、42ポイントの差になった。いずれも過去最大のギャップで、これもオバマ政権の2期目前後に広がり始め、トランプ政権下でさらに拡大している。