ただ、シャーロッツビルでの衝突やNFLでの出来事、あるいはトランプ大統領のツイッターだけを取り上げて、分断の象徴としてしまうことに、違和感を訴える人たちもいる。9月中旬、米国の複数の友人を通して、本誌が作った米国分断についてのアンケート用紙を20人前後に配ってもらい、10月までに7人から回答を得た。前出のウォルターズさんもその中の一人だ。

 7人全員が、支持政党や政治的価値観がより二極化したという意味で、米国は分断状態にあると話したが、一方で、白人至上主義者が増えているという事実はないし、人種差別が拡大している事実もないと強調した。ニューヨーク州在住でウェブ開発者のマット・マイヤーさん(38)は、「国全体が歴史に逆行しているわけではない。団結や統合のために努力してきた先人とは異なる方向にかじを切ろうとしているトランプ政権下で、憎しみを原動力とする過激な少数派が一時的に目立っているだけだ」

 コロラド州で司法関係の仕事をしているWDネルソンさん(60)は、

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