初訪日となったトランプ米大統領と安倍晋三首相は、ゴルフ外交などを通じて蜜月ぶりを世界中にアピール。写真は、東京での共同記者会見を終え、握手しながら見つめ合う両氏 (c)朝日新聞社
初訪日となったトランプ米大統領と安倍晋三首相は、ゴルフ外交などを通じて蜜月ぶりを世界中にアピール。写真は、東京での共同記者会見を終え、握手しながら見つめ合う両氏 (c)朝日新聞社
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 トランプ氏の米大統領当選から約1年がたった。深刻化が懸念される米国社会の分断。果たして米国民たちは、この状況にどう対応しているのか。複数の米国人の話や世論調査をヒントに、分断の真の原因と背景を探った。

 USA! USA!──。トランプ米大統領の初来日で最初に訪ねた米軍横田基地。格納庫に米兵の歓声が響いた。トランプ氏の集会ではおなじみの光景だが、そんな熱狂に染まらない支持者もいまや少なくない。

「Divided States of America(アメリカ分断国)。そう米国を呼ぶ冗談は以前からあった。それがいま、冗談ではなくなってきたことが、残念でならない」

 米国東海岸ニュージャージー州で暮らすデイビッド・ウォルターズさん(72)は、そう語った。ニューヨーク市クイーンズ区にある公立高校で長年、社会科の教諭として米国政治を教えてきた。「米国は世界最強で最も偉大な国。その象徴が米国大統領だ」というのが口癖だったという。

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