事実だし、見てたらわかるし。でも、見てたらわかる「暗黙の了解」的なことって、テレビで語られることってあまりないですよね。
それを「普通」に放送していることが、素敵だったし、そこを踏まえて、今、リーダーと香取慎吾君が向かい合って座っていることの「当たり前じゃない感」がより際立つ。
僕はSMAP解散後、香取慎吾君、稲垣吾郎君、草なぎ剛君ともずっとお仕事をさせていただいている。
ABEMAで「ななにー」という番組をやらせていただいて5年以上が経つ。スタッフ側から言わせてもらうと、やっていくうえでキャスティングも含めて大変なことも沢山あった。彼らが粘り強くやり続けて、まさに新しい地図を描いていくなかで、協力してくれる人もどんどん増えていった。そんななかで・・・一昨年の1月1日に放送された「ななにー」の生配信に出演してくれたロンドンブーツ1号2号の田村淳さんが、とある局でたまたまリーダーと一緒のエレベーターになった時のことを話してくれた。
「中居くんは、あまり言ってほしくないだろうけど、せっかく3人に会えたから俺は言うね。たまたま帰る時に一緒のエレベーターになって、降りる時に『淳さ、3人に会ってる? なにかあったらよろしくね』って言われた。エレベーターの中で泣きそうになった。なんなの、このさり気ない言葉」と。それもあったため、この日の「ななにー」への出演も決めたのだと。
そんなこともあるから、今回の「まつもtoなかい」での「対面」がより胸に沁みる。
解散してから6年。それぞれの物語がある。バラバラになった点と点が、色々な線を描き始める。だからおもしろい。それもエンターテインメント。
あれを作ったスタッフさん、何かと大変なこともあったと思いますが、素晴らしかったです。
そして、最後に、松本人志さん、とんでもない名司会でした。
■鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。パパ目線の育児記録「ママにはなれないパパ」(マガジンハウス)、長編小説『僕の種がない』(幻冬舎)が好評発売中。漫画原作も多数で、ラブホラー漫画「お化けと風鈴」は、毎週金曜更新で自身のインスタグラムで公開、またLINE漫画でも連載中。「インフル怨サー。 ~顔を焼かれた私が復讐を誓った日~」は各種主要電子書店で販売中。コミック「ティラノ部長」(マガジンマウス)が発売中。