

元朝日新聞記者でアフロヘア-がトレードマークの稲垣えみ子さんが「AERA」で連載する「アフロ画報」をお届けします。50歳を過ぎ、思い切って早期退職。新たな生活へと飛び出した日々に起こる出来事から、人とのふれあい、思い出などをつづります。
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先日のアエラの特集は「老後のための投資」。最近この手の本や雑誌をとてもよく見かけます。それだけ誰もがお金について真剣に不安を抱えているのだと思います。
中身を読むと、書いてあることは誠に王道。つまりは長期分散投資。短期的利益を求めるのでなく、焦らずリスクを分散してコツコツ積み立て続ければちゃんと増えると。
これはおそらくずーっと言われてきたことです。不肖私も10年ほど前に会社を辞めることを考え始めたとき、やはりお金のことが心配で投資の勉強をしました。最も影響を受けたのが勝間和代氏のベストセラー『お金は銀行に預けるな』。で、そこにもやはり長期分散投資をせよと。つまりは世間にお金や投資の情報がいくら溢れかえろうが、きっと答えは一つなのです。
それなのにこうした特集が尽きることなく組まれ読まれるということは、結局、その「王道」を歩むのがいかに難しいかということなのではないでしょうか。わかっちゃいるけどできやしない。そう、問題は「どうしたらいいのか」ではなく、「なぜできないのか」ということなのです。