ぼくはこれが気持ち悪くて、しばらく算数嫌いになってしまったのですが、数学的にはこれを同じということにしないと成り立たないんです。線や断面には、幅や厚さがないものとする、というのも数学的に考えるための抽象化の一つといえます。メリットがあるのでそういうことにしようという前提なんですね。
それぞれの立場や前提の違いを分かり合えば、正反対の意見を持っていてもケンカにならず、平和共存への道が開けるのではないでしょうか。
矢萩邦彦(やはぎ・くにひこ)/「知窓学舎」塾長、実践教育ジャーナリスト、多摩大学大学院客員教授。大手予備校などで中学受験の講師として20年勤めた後、2014年「探究×受験」を実践する統合型学習塾「知窓学舎」を創設。実際に中学・高校や大学院で行っている「リベラルアーツ」の授業をベースにした『自分で考える力を鍛える 正解のない教室』(朝日新聞出版)を3月20日に発売
(構成 教育エディター 江口祐子/生活・文化編集部)