個性派俳優・佐藤二朗さんが日々の生活や仕事で感じているジローイズムをお届けします。今回は、「54歳を機に思案する世界情勢における演繹的なアプリオリに漂着する推論、もしくは弁証法の中でのアウフヘーベンという概念」について。
【画像】40歳からビジュアルが変わらない?佐藤二朗で“まちがいさがし”
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54歳です。
このコラムが配信される2023年5月7日。わたくし、54歳になりました。
なかなかの数字です。54。
たとえば5年前、49歳の頃よりかは、少しは僕、成長したんでしょうか。人間ですから、壁みたいな顔をしておりますがやはり僕も人間ですから、多少は成長したのではないか。そう思っていたところ、当コラムがまさに丁度、始まってから5年だということに気づき、過去5年の誕生日のコラムを読み返してみようと思い立ちました。
まず去年2022年5月8日のコラム(今年は偶然、僕の誕生日5月7日に配信ですが、過去はその近辺の配信日に誕生日のことを書いていたようです)。
タイトルは、「酔って妻にチュウを懇願するのは避けねばならぬ 53歳になった俳優・佐藤二朗の誓い」というもので、すでにこれだけでかなりダメダメな感じがするわけですが、念のため当該コラムを読み返してみましたら、
その前の年に、あくまで冗談で「精神年齢8歳の52歳児」と言っていた僕が、ある占い師さんから「佐藤さんの精神年齢は11歳です」と真顔で言われ、わりと冗談ではなかったことが露呈し、さらに別の占い師さんから「6歳です」と言われ、いよいよあとがなくなり、このままでは母親の胎内に還らねばならぬと危惧していた矢先、またまた別の占い師さんから「15歳」と言われ狂喜乱舞したという、タイトル以上にダメダメな内容でした。
ちなみにそのコラムの中で「もう終わりにしなければならぬだろう。精神年齢の低さをネタにすることはもう終わりにしなければならぬ」と決意表明してるのですが、結局そのコラムもオール精神年齢の低さについて書いており、なんか自分で悲しくなってきたのでさらに遡り、どうか精神年齢の低さを書いてる記事じゃありませんようにと念じながら、2021年5月9日の記事を読んでみることに。