●仕事が趣味は「社畜」?
オタクを隠す趣味偽装もあるようだが、偽装を誘引する言葉はほかにもある。前出の無趣味なワーキングマザーは遠慮気味にこう言う。
「自分がやっていて楽しく充実感をおぼえるものを趣味と言うなら、実は私は仕事が趣味です。でもそう言うと、『社畜なの?』と言われてしまう」
メーカーに勤めて20年。多くの人と力を合わせる、モノ作りの仕事ほど面白いものはないと思っている。「仕事が趣味」と言ったときに上の世代ではわかってくれる人もいるが、下の世代は価値観が真逆。だから押し付けないよう気をつけている。
「働き方改革全盛のいま肩身が狭いです。『仕事が趣味』はダメですか……?」
仕事が趣味は「あり」か「なし」か。アンケートに寄せられた声をみると、趣味の定義は人によってさまざま。
「趣味は究極遊び。マイペースで取り組むのが、長続きするコツ」(58歳女性)、「趣味なんだから、肩ひじ張らずにのんびりやればいい」(60歳女性)といった声がある一方、「苦しんでこその趣味」という考え方もある。
また人間関係についても「ひとりで気楽に楽しむ派」と「仲間がいてこそ楽しさも増す派」に大別される。(編集部・石田かおる)
※AERA 2017年7月31日号