2020年の東京五輪に向けて、新卒採用だけでなく、40代以上も含めた転職市場が活況だ。気になるのは転職後の年収のアップダウンだが、自己実現を優先しようと地方に移る人、お金に価値を置かない転職も増えている。AERA 5月22日号では「転職のリアル」を大特集。転職をまじめに考えている人、うっすら意識している人にも読んで欲しい。今回はその中から、グーグルの採用について紹介する。
* * *
世界中で年間250万件以上の応募があるグーグル。求人は自社の採用サイトに募集が掲載され、採用は外部内部を問わず、フラットに行われる。具体的なポジションを明記した募集となっているため、求職者も働くイメージがわきやすい。
採用・不採用を評価する権利は採用候補者と一緒に働くことになるチームや関係部署などの現場の社員にある。人事は現場の採用活動のサポート役だ。面接は原則1対1で行われ、最低4人の面接担当者全員が採用という評価を出した場合のみ、そのフィードバックが採用委員会などで検討され、最終的に合否が出る。ヘッドハンティングの人も例外なく、同じステップを踏む。
面接形式は、質問様式や評価方法が、世界的に統一されているという。
「基本のフォーマットがあるため、面接担当者が独りよがりにならず、チームとして意思決定できるようにしています」(人事部採用担当・玉木尚宏さん)
グーグルには“エアポートテスト”という概念がある。面接担当者は「飛行機が飛ばなくなった時に、その人の隣で一晩過ごせるか」を自問自答し、どういう考え方をする人かを深掘りする。中途入社したある社員は「様々な関係者が色々なアングルで話してくれるため、働くイメージが立体化した」と振り返る。(編集部・小野ヒデコ)
※AERA 2017年5月22日号