今回の七つの惑星は、地球と似ているといいながらその表面環境はまったく異なるだろう。中心星と各惑星の距離は地球-太陽間の16分の1以下しかない。中心星は、太陽の光度の0.05%しか光っていないのに太陽と同じくらいの強いX線や紫外線を放射、すぐそばの惑星たちに浴びせている。厳しい環境のはずだ。

 とはいえ、七つの惑星のうちe、f、gの三つの表面上では、液体の水が海となっていてもおかしくないという。いわゆる生命居住可能領域(ハビタブルゾーン)にあるわけだ。

 NASAの科学担当副責任者のトーマス・ズールブッヒェン氏は、

「もう、生命があるかどうかではなく、いつ見つかるかという問題だ」

 と、会見で言い切った。

●立ち会うための技術

 NASAが来年打ち上げを目指すジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡を使えば、各惑星の大気の組成、その状態を調べることができるという。観測で液体の水、水蒸気、あるいは生命の兆候を示す酸素やオゾン、メタンなどの証拠が見つかれば、ますます面白くなるだろう。

「生命発見」の現場に立ち会えないだろうか?

 人工物で初めて太陽系外に出た探査機ボイジャー1号は、打ち上げ40年後のいまは地球から約200億キロのかなた。このペースだと、39光年のかなたに到着するのはザッと76万年後である。3桁の単位で速度を上げなければ、とても無理だ。

 昨年、地球から約4光年離れた別の惑星に超小型探査機を飛ばし、レーザー光を照射して光速の20%まで加速、20年の飛行で目標に到達しようというブレークスルー・スターショット計画をあのスティーブン・ホーキング博士らが発表した。残念ながら、その技術は未開発だ。(科学ジャーナリスト・内村直之)

AERA 2017年3月27日号

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