アイスホッケー女子日本代表「スマイルジャパン」。最多7人のメンバーを送り込んだのが、女子日本リーグで5連覇中の強豪クラブ「SEIBUプリンセスラビッツ」だ。
SEIBUプリンセスラビッツは10代の学生から30代半ばの社会人までと様々な選手で構成されており、社会人選手の多くはほかに仕事を持ちながら競技を続けている。
2月の平昌(ピョンチャン)五輪最終予選の全3試合で5得点と大活躍し、自ら「神ってました!」と振り返るベテランエースFW久保英恵(はなえ)(34)もそんな一人。4年前、予選を突破し自身初出場を決めたソチ五輪最終予選時にもMVPに輝くなど活躍が光ったが、当時は都内のスケートリンクで靴の貸し出しの受け付けなどのアルバイトをしながら生計を立てていた。
その後、ソチ五輪に出場が決まったことで日本オリンピック委員会の仲介を受け、生命保険会社に就職。現在は、恵まれた環境で練習が続けられることに感謝しかないという。
「シーズンオフには毎日出社しますが、シーズン中は週に2、3回出る程度ですね。練習は基本夜なので、空いた時間は筋トレなどに充てています。仕事はいつ行ってもできる事務処理などが多いのですが、今年は2月の五輪の予選のすぐあとにアジア大会もありましたし、ほとんど出社できていません。それでも、お給料をいただけますし、本当に助かっています。アルバイトをしていたときは、トレーニングする時間はもちろん、遠征や合宿などで働けないと収入がまったくない状態でしたので」
●恵まれない環境
実は久保には28歳で1度引退し、30歳で復帰した過去がある。引退した理由は、一時期結果を出しながらも代表に招集されなかったことや当時の恵まれない環境があった。それでも、その後に見た女子サッカーのなでしこジャパンを世界一に導いた澤穂希の姿に自分と通じるものを感じたといい、再びリンクに立つことを決意した。