ソチ五輪は出場するも、5戦全敗。平昌五輪は久保にとっても集大成の舞台になる可能性は高く、前回の雪辱を果たすためにも結果を出したいと願う。
「私自身、ソチに出たことでいまの環境をつくっていただけた。まだ満足いく環境で練習できない後輩は多い。平昌で結果を残せば、さらにいい環境を手にできるかもしれませんし、チーム力は前回以上。メダルに届く可能性もあると思うので、そこを目指したい」
プリンセスラビッツのキャプテンで、スマイルジャパンでもFWながら献身的なプレーでチームに欠かせない存在なのが足立友里恵(31)。久保と同じく、仕事を持ちながらアイスホッケーを続け、チームスポンサーでもあるプリンスホテル本社の管理部に勤務している。
●仕事は請求書の処理
練習は通常週6日、夜7時から3時間ほど行われるが、合宿や遠征などで不在のときを除き、足立は池袋にある職場で午前8時45分から夕方5時までフルタイムで働いたあと、練習に向かう日々を送っている。
「主な仕事は請求書の処理などの庶務業務です。毎日、仕事が終わったら急いで家に帰って化粧を落とし、防具を持って出かける慌ただしさです。練習後は帰宅すると深夜0時を過ぎていることも多く、スケジュール的にはかなり大変ですね」
2014年に結婚。だが、結婚後は夫の理解もあり、むしろ家事などの負担が減ったと喜ぶ。
「1人暮らしだった頃と比べると結婚し家事が半分になり、練習後に帰ると食事が用意されていることもあったり(笑)。旦那さんには感謝しかありません」
前回のソチ五輪後に環境を大きく変えた選手がいるなか、自分の環境が変わらないことを嘆いたこともあった。だが、仕事と家庭、さらに競技の掛け持ちは決してマイナス面ばかりではないという。
●時間がないことを意識
「ソチのあとに、より良い環境を手にした選手を見て、正直うらやましく思うこともありました。でも、チームの監督から『オマエは仕事もやってホッケーもやるから価値があるんだ』などと言われて、気づかされたことも。時間がないことを意識することで練習の質を上げることはできますし、職場もチームもコミュニケーションが大事なのは一緒。働きながら競技を続けることは悪いことばかりではなく、むしろ人生においてはプラスになるといまでは感じています」