ぐっちーさん/1960年東京生まれ。モルガン・スタンレーなどを経て、投資会社でM&Aなどを手がける。本連載を加筆・再構成した『ぐっちーさんの政府も日銀も知らない経済復活の条件』が発売中
ぐっちーさん/1960年東京生まれ。モルガン・スタンレーなどを経て、投資会社でM&Aなどを手がける。本連載を加筆・再構成した『ぐっちーさんの政府も日銀も知らない経済復活の条件』が発売中
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 経済専門家のぐっちーさんが「AERA」で連載する「ここだけの話」をお届けします。モルガン・スタンレーなどを経て、現在は投資会社でM&Aなどを手がけるぐっちーさんが、日々の経済ニュースを鋭く分析します。

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 プレミアムフライデーなるものが登場いたしました。月末の金曜日は15時に帰るということを、半ば政府が強制するという話です。

 まず日本はいつから社会主義になったのか、と言いたい。働き方改革、一億総活躍社会などとキャッチフレーズは勇ましい一方、個人のライフスタイルに合った自由な働き方という一番大事な視点が失われています。大体、サービス産業に従事する人は15時には帰れないではないですか?

 弊社は出勤時間、出社日は当人に任せており、育児のために午後から出社してもらっても一向に構わない。しかし、こういう社員がニューヨーク時間に合わせて夜の11時にオフィスにいたりすると、当局からお叱りを受ける。夜中まで残業させるな、というわけです。これを規制していては自由な働き方など夢のまた夢。我々のような仕事をする人はニューヨークに行けというのでしょうか?

 今回のプレミアムフライデーは役人的発想の極致のようなもの。サラリーマンの行動パターンと金儲けの方法論がわかっていないのです。そこで一つ言っておきます。まず、金曜日はだめです。早めに仕事を終えても土日が休みなのでそれにつなげて休みたい。つまり消費に結びつく可能性はないでしょう。

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