このように一定時間分の残業代を定額で払う仕組みは「固定残業代制」と呼ばれ、それ自体は違法ではありませんが、残業代が含まれていることを隠したり固定の残業代だけで長時間労働を強いたりするなど、悪質なケースも横行していました。
15年10月施行の若者雇用促進法の指針で、基本給と固定残業代を区別し、固定残業分の時間や金額を明示するように定められました。ただ、的確に表示していない会社もあるので、要注意です。
また、固定残業代制の会社では、その時間分の残業が常態化していると考えたほうがいいでしょう。
株式会社Bは、モデル月収例は20万円前後ですが、基本給を見ると14万3100円。やはり固定残業代制なのです。一方、固定残業代制をとらない場合は、株式会社Cのような記載となり、実際に残業した時間分の手当は別途つきます。ぜひ、興味のある会社については、説明会に行く前にプリントアウトして比べてください。
就活でも最低限の労働法の知識が必要です。正しく見比べて、長く働ける会社を見つけてください。
※AERA 2017年3月20日号