伊勢うどん/腰がなく、つゆの代わりに真っ黒なタレ。クセになりそうな独特の味だ(撮影/写真部・大野洋介)
伊勢うどん/腰がなく、つゆの代わりに真っ黒なタレ。クセになりそうな独特の味だ(撮影/写真部・大野洋介)
この記事の写真をすべて見る
お浄(きよ)め塩スプレー/シュッと吹きかけるだけで気分は爽快!!「手頃なお浄め」が現代の女性の心をつかむのか(撮影/写真部・大野洋介)
お浄(きよ)め塩スプレー/シュッと吹きかけるだけで気分は爽快!!「手頃なお浄め」が現代の女性の心をつかむのか(撮影/写真部・大野洋介)
お浄め風呂神塩/お守り袋の形がかわいいと人気の入溶剤。発汗作用を高めてくれるそう(撮影/写真部・大野洋介)
お浄め風呂神塩/お守り袋の形がかわいいと人気の入溶剤。発汗作用を高めてくれるそう(撮影/写真部・大野洋介)
てぬぐい/地元特産の伊勢木綿でつくったてぬぐい。エコで、使い勝手のよさが見直されている(撮影/写真部・大野洋介)
てぬぐい/地元特産の伊勢木綿でつくったてぬぐい。エコで、使い勝手のよさが見直されている(撮影/写真部・大野洋介)

 2016年の新語・流行語大賞は「神ってる」。“聖地巡礼”“パワースポット”がにぎわいを見せ、神様が身近にあふれる。3・11から6年、一人ひとりがそれぞれの形で宗教と向き合う時代。日本の宗教にいま、何が起きているのか。AERA 1月16日号では「宗教と日本人」を大特集。その中から、最近のお伊勢参りのトレンド、弾丸バスツアーを紹介する。

*  *  *

 東京発0泊2日のバスツアー。これが今の「お伊勢参り」のトレンドなのだとか。苦行としか思えないが、

「だって、眠っていれば着くので、時間の無駄がないですよ」

 東京都に住む会社員の女性(43)はあっけらかんと話す。これまで3回、弾丸バスツアーでお伊勢参りをした。

 そもそも伊勢神宮は、皇室の先祖神である天照大神をまつる皇大神宮(内宮(ないくう))と、五穀豊穣(ほうじょう)の神である豊受大神(とようけのおおみかみ)をまつる豊受大神宮(外宮(げくう))を中心に、別宮や摂社など125社からなる。そしてお参りは、外宮→内宮の順でするのが古くからの習わしだ。

 江戸時代の「お伊勢参り」は江戸から片道2週間近く。対して平成の「お伊勢参り」はこうだ。夜10時ごろ都内を出発し、トイレ休憩をはさみつつ、車内で一夜を過ごして、翌朝6時ごろに夫婦岩で知られる二見浦(伊勢市)に到着。1時間ほど参拝したあと、内宮別宮の月讀宮(つきよみのみや)を参拝し、外宮に。滞在時間は30分~1時間。昼前に「真打ち」の内宮に到着し、帰路へ。夜9時ごろ東京到着という強行軍だ。

「だけど電車では、これだけの場所を一度に回れません。旅費も、安い時は1万円でコスパもばっちりです」(先の女性)
 確かに、東京から新幹線を使って名古屋経由で伊勢に行くと、電車代だけで往復2万8千円近く。宿泊費も1万円は下らない。しかも、現地ではバス移動が基本なので、移動に時間がずいぶんとられてしまう。

次のページ