UACJ「一番の工場へ人を大事に」UACJ 生産本部福井製造所 製造部熱延課長 野田尚也(42)撮影/門間新弥
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「一番の工場へ人を大事に」

UACJ 生産本部福井製造所 製造部熱延課長 野田尚也(42)
撮影/門間新弥
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 アエラにて好評連載中の「ニッポンの課長」。

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 現場を駆けずりまわって、マネジメントもやる。部下と上司の間に立って、仕事をやりとげる。それが「課長」だ。

 あの企業の課長はどんな現場で、何に取り組んでいるのか。彼らの現場を取材をした。

 今回はUACJの「ニッポンの課長」を紹介する。

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■UACJ 生産本部福井製造所 製造部熱延課長 野田尚也(42)

 今年の夏も、もう終わり。缶ビール片手に、花火大会やフェスを楽しんだ人も多かっただろう。

 国内の缶ビールや缶ジュースの5本のうち3本は、UACJのアルミニウムで作られた缶だ。
他にも、車やロケット、航空機、船の部材から、パソコンなどのメモリーディスク、医療用品などさまざまな用途に、この会社のアルミが使われている。アルミニウムの板製品の生産能力は年100万トン以上。世界でもトップクラスを誇る。

 国内に四つある板工場のうち、主力工場である福井製造所には、全長400メートル、幅4.3メートルのアルミの板を作れる、世界最大級の大型熱間圧延機がある。アルミのかたまりを削り、加熱してこの熱間圧延機で延ばし、コイル状に巻く作業までを担当するのが熱延課。野田尚也はその課長だ。

 約300℃で巻き上げられたコイルが圧延される作業所。そんな中で、26トンあるアルミのかたまりをクレーンで移動させたり、フォークリフトで物を運んだりするのは、部下を含め総勢75人。その安全管理は、野田の重要な仕事の一つだ。
「それ以外にも、何か問題があったとき、すぐに相談してもらえるよう、ざっくばらんな雰囲気でいるようにしています」

 年齢もバラバラで、担当する作業もさまざまな部下に対し、日頃から不公平にならないように心がけてもいる。

 1996年、早稲田大学理工学部機械工学科を卒業後、古河電工(のちの古河スカイ)へ入社。2013年に住友軽金属工業と合併してUACJになったが、入社以来20年ずっと、福井製造所に身を置く。圧延技術研究室、生産技術室、冷延課課長などを経て、今年、現職に就いた。

 どんなに素晴らしい機械でも、それを動かすのは人。人を育て、UACJのどの工場にも負けない工場にしたいと、気合が入る。

「自分たちで問題点に気づき、改善策が立てられるように、人を教育していきたい」

 (文中敬称略)

※本稿登場課長の所属や年齢は掲載時のものです

(編集部・大川恵実 写真・門間新弥)

AERA 2016年10月3日号