クリぼっちに冬季ウツ。今年は冬の憂鬱に、「逃げ恥ロス」が加わる。ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」が、12月20日で終わってしまう。
「逃げ恥終わったらぽっかり心に穴が開きそう」
「無事に年を越せるのか。新年以降、何を支えに暮らせばいいのか」
まだドラマも中盤の11月上旬、すでにSNSには終了後の喪失感=ロスを怖がるファンの悲痛な叫びがあふれていた。「逃げ恥」は、TBS系で火曜夜10時から放送中のドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」の略称だ。
ドラマでのロス現象といえば、「あまちゃん」のあまロス、「あさが来た」の五代(ディーン・フジオカ)ロスが思い出される。いずれもNHK朝の連続テレビ小説で、月曜から土曜まで週6回の放送が半年間続いた末に起きた。暮らしのリズムに入り込むぶん、「ロス」に陥る危険性は高い。一方の「逃げ恥」は週1放送の3カ月クール。朝ドラを上回る強い中毒性があったということか。
●ムズキュンと合理主義
まずは、ドラマの内容をおさらいしておこう。原作は海野つなみの漫画で、脚本は「図書館戦争」シリーズや「重版出来!」の野木亜紀子。実は、これだけでドラマ通にはたまらない組み合わせだ。
主人公は新垣結衣(28)演じる森山みくりと、星野源(35)演じる津崎平匡(ひらまさ)。大学院卒で内定ゼロ、さらに派遣切りにあったみくりが、家事代行の仕事で「35歳恋愛経験なし」という平匡と出会い、仕事として「契約結婚」をするというラブコメディーだ。夫は雇用主で妻は従業員。恋愛感情のないただの雇用関係のはずが、一緒に暮らすうちに……と物語が展開していく。
都内に住む30代の女性は、小学3年生の娘(9)と親子で「逃げ恥」を楽しんでいる。
「夜10時開始は娘には遅いので、録画して週末にゆっくり見ます。先に見てしまうと怒られるんですが、2回、3回と見ても楽しめる。星野源さんが好きで見始めましたが、ハマったのは、みくりさんの家事に対する考え方。家事を労働としてとらえ、その対価をもらうという考えに、全力で拍手を送りたいです」
一方の娘は、
「ひらまさは優しいから好き。みくりちゃんの妄想がおもしろくて、引きずりこまれちゃう。(ドラマは)一生続いてほしい」
といい、恋ダンスを練習中だ。