職業生活を営んでいない女性たち、営もうとは考えない女性たちについては、どうなのか。その人たちの活躍は推進しない。つまりは、そういうことになる。こう考えてくると、当初からこの法律について感じていた違和感の本質が、改めてみえてくる。

 思えば、そもそも「活躍推進」という言い方がおかしい。女性をめぐる差別や格差問題に対処するために、政治や行政が何をするのか。この目的のために、政策はどう「活躍」しようとしているのか。それを打ち出すならわかる。政治や政策が人を「活躍させる」という感性が、どうも気持ちが悪い。しかも、それが「職業生活」に関わる部分に限定されるとなると、怪しげな雰囲気はさらに深まる。あまりにも細かく「活躍推進」の方策が規定されているのも、気味が悪くなってきた。やっぱり、原典をしっかり確認しないと、真相はみえてこない。(浜矩子)

AERA 2016年12月12日号

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