「近年、海外のゲームショウを参考にして、ビジネス面に力を入れてきた。この結果、世界中から人が集まるようになり、今回の参加者は27万人と過去最高を記録しました」

 世界的なゲームショウは、東京ゲームショウのほか、アメリカの「E3」、ドイツの「ゲームズコム」、韓国の「G‐STAR」などがある。東京以外の三つは業界関係者の商談の場としての側面が強く、最新ゲームの試遊が主の東京ゲームショウとは性質を異にしていた。

「商談の場としての側面を強めたため、海外からの出展者が一気に増えました。個人レベルでも出展できることから、世界中の業界関係者が日本の優秀な人材を求めに集まっています」(馬場さん)

 また、日本の成熟したゲーム文化も魅力の一つだと馬場さんは指摘する。

「かつては日本のゲーム文化は家庭用ゲームが中心でガラパゴスだと言われていましたが、今や昔。人気のスマホゲームが日本でもヒットするのがわかると評価が一変しました。日本のゲームユーザーは目が肥えていますから、試しに日本でやってみて、その反応を見て世界戦略を描く。そういう展開ができる市場として注目を集めています」

 今後、東京ゲームショウはどうなっていくのだろうか。

「東京五輪の開かれる20年までは国際化が進むでしょう。リオ五輪の閉会式で、安倍首相がマリオの格好をしたことで、オリンピックに向け日本政府がコンテンツ産業を後押しするというメッセージを発信しました。日本のゲーム市場は今後も注目され続けるでしょう」(同)

(ライター・河嶌太郎)

AERA 2016年10月3日号

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