英語と並ぶ必須スキルとして、小学校で必修になるらしいプログラミング。同じ「言語」でもどう違うのか。ド文系の記者が挑戦した。
大学の専攻は日本語学。受験は現代文と英語の2科目。エクセルは“高機能な原稿用紙”としてしか使ったことがない。「英語ができれば数学はできなくてもいい」と言い訳して生きてきた私に、プログラミングを体験せよという。
●ブロックを組み合わせ「くまさんのフルーツ狩り」
独学でのチャレンジは、はなからあきらめた。同僚の息子(小5)がハマっているというScratch(米マサチューセッツ工科大学が開発した教育用プログラミング言語)のサイトを開いてみたら、さっぱりわけがわからなかったのだ。
「ハッピー・コンピューティング」を標榜するIT企業、UEIの運営する秋葉原プログラミング教室に相談すると、8歳から15歳までが対象というカリキュラムの一部を体験させてもらえることになった。マンツーマンの特別待遇だ。先生役を務めてくれたのは、後藤大喜さん(25)。前職は出版社勤務と聞き、勝手に?こっち側の人?認定させてもらう。
後藤さんは3年前にUEIに転職し、プログラミングの勉強を始めたという。本職はプログラマーではないが、いまでは「プログラマーに頼むほどでもない」作業は自分でこなすという。
この日習うのは、MOONBlock(ムーンブロック)。UEIが提供する「ビジュアルプログラミング言語」で、ネット上で誰でも使える。プログラミングというとアルファベットと記号の羅列のイメージだが、Scratchと同様、よく使う要素がブロックの形で視覚化されている。記号の羅列という「表現」に惑わされずに構造を視覚的に理解できる。子ども向けのプログラミング教育で、はじめの一歩として使われることが多いのだ。
MOONBlockを開発したUEIの清水亮社長によれば、
「将来的にはプログラミングが簡易になり、ビジュアル言語が一般的になると考えています」
ふむふむ、子ども向けのお遊びではなく、未来を先取りしているということか、と意気込んでPCを開くと、後藤さんに、
「まずはこれをやってください」
とプリントの束を渡された。画面の写真とともに説明があり、下には復習の穴埋め問題がある。MOONBlock上での作業を前もって確認し、構造を理解するためのものだ。
紙というだけで安心感が増す。後藤さんはA、B、Cの3種類のプリントを手に、
「Aは簡単すぎるので、今日はBのストップウォッチか、Cのチャットアプリをやりましょう」
と言うが、ここはやはりAからお願いすることにした。お題は「くまさんのフルーツ狩りゲーム」だ。