幹線道路から一本入ると、惨状はよりひどいものになる。2階部分が1階に覆いかぶさるように瓦解していたり、屋根がガレージの車を押しつぶしていたり。崩れた家が左右から雪崩を起こし、道路をふさいでしまっている。風が吹くと粉塵が舞い、目を開けていられないほどだ。

 道路には幅数十センチはあろうかという亀裂が入り、液状化したのかマンホールのふたが盛り上がっている。余震のたびにギシギシときしむ音がして、今にも崩壊しそうな家ばかり目につく。

 本市のベッドタウンながら、田園風景も広がる益城町。だが、被害が大きかったのは住宅街の木造家屋だ。ある住人は話す。

「昔の家にそのままガレージをつけたり、増築したりする家も多かった。自分も含めて、耐震性に無頓着だった気がする」

(アエラ編集部)

AERA  2016年4月25日号より抜粋

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