ラブホテルというと、どこか淫靡なイメージ……というのは、今は昔。最近では女子だけでも楽しめる場へと変貌を遂げているのだ。
仕事を終え、三々五々集まった30~40代の女子4人。うっとうしいパンストは脱ぎ捨て、普段なら絶対に選ばない、買ったばかりの「可愛い系」パジャマに着替える。料理は近くの中華料理屋に配達をお願いし、赤白計6本のワインも買ってきた。これで準備は万全。東京・歌舞伎町の「HOTEL ATLAS」502号室で「ラブホ女子会」の始まりだ。
「ラブホなんて、20年ぶり!」
40代既婚女子が叫ぶ。「興奮しちゃって、すでに飲んできちゃった!」と別の40代既婚女子。
「こういうとこ、だれかと来たいな」というつぶやきに、すかさず「来るなら、夫や恋人じゃない人! 付き合い始めたばかりのラブラブの人!」と返しが入る。
始める前は、変わった場所で開く「いつもの飲み会」くらいにしか思っていなかったが、大間違いだった。心の解き放たれ方がハンパない。のっけからアクセル全開だ。
40代も半ばを過ぎると、本音トークの末に感極まり涙ポロポロというのは公衆の面前でしづらいものだが、ここでは一切周囲の目を気にしなくていい。興奮して大声になっても、だれにもとがめられない。