東京ドネーション式レッスン寄付形式の英会話コミュニティー。「教育は収入にかかわらず受けられるべき」という理念がある。1レッスン5千円投じる人も(撮影/高井正彦)
東京ドネーション式レッスン
寄付形式の英会話コミュニティー。「教育は収入にかかわらず受けられるべき」という理念がある。1レッスン5千円投じる人も(撮影/高井正彦)

 学校で英語を勉強してきたものの、実践で使える英会話ができる日本人はそう多くはない。しかし近年は、使える英語を学ぶことができる新しい場が生まれつつある。

 この日のテーマは「ラブレター」。500年以上も前にラブレターを送った英国王ヘンリー8世の紹介から、西洋におけるラブレターの構成まで話題は多岐に及ぶ。レジュメも英語なら、説明も英語だ。

「ラブレターを書くときは、心の準備が必要」「普段の会話のように書き始めるといい」など、英語が苦手な記者も理解できるワードで説明された。

 ここは、バイリンガルの男性、ジュリアンさん(28)が講師となって、英語で西洋文化を発信する英会話コミュニティー「東京ドネーション式レッスン」。ジュリアンさんが、もっと異文化を知ってほしいと個人で立ち上げ、オンライン上のグループ管理システム「Meet up」を通じて参加者を集めている。コミュニティーのファン数は、立ち上げて1年弱で3千人に達した。

 この日の参加者は約30人。20代から40代のビジネスパーソンが多い。英会話教室のように、いわゆる文法や言い回しを教えるわけではない。「英語を」学ぶことが目的ではなく、「英語で」西洋文化を学ぶ場だ。

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