現在の小学3年生からは、数学と理科を融合した「数理探究」が高校の新しい選択科目になるなど、学習内容と入試改革の方向性が合致しそうだ。従来、新学習指導要領に対応した最初の入試では浪人生向けの救済措置が取られてきたため、小学4年生も心配しすぎる必要はないが、受験テクニック面では要注意。20年度から23年度までは記述式は短文だが、24年度からは文字数が増える予定になっている。コンピューターを使った入試(CBT)も、24年度から導入される予定だ。

 いつ、どう変わるかがまったくわからないのが、各大学の「個別選抜」だ。今のところ大学側は「様子見」。高校2年生になってから「え? ディベートがあるの!?」などとあわてることにもなりかねないので、志望校の試験の動向はチェックしておいたほうがよさそうだ。

 ただ、未確定のことを親が先回りして心配したところで、実際に受験するのは子ども自身。

「中学生以上になると親ができることは限られるが、逆に小学生以下だと大学入試対策にはリアリティーがない。読書や調べ学習、幅広い体験のサポートをする程度で、過度にセンシティブになる必要はありません」とベネッセ教育総合研究所高等教育研究室長の木村治生さん。後藤さんも言う。

「最も重要なのは親の意識改革。自分たちの入試の体験や価値観を押しつけていては、子どもは伸びません」

AERA  2016年2月1日号より抜粋

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