
視聴者のテレビ離れ、動画配信という黒船……。テレビドラマにとっては厳しい時代になりつつある。そんな中、作り手は様々な角度から新しい作品作りに挑戦している。転換期は、2010年にあったようだ。
ドラマ全盛期の1980年代。当時は週に62番組もあった民放5局、プライム帯のドラマ枠は、減り続けて現在12番組になっている(関東地区)。視聴率を支える10代男女も、少子高齢化で80年代に比べて3分の2ほどに減少した。
スマホの普及が加速すると同時に、「TVer(テ ィーバー)」や「ネットフリックス」などの新動画配信サイトが続々オープンし、ドラマの視聴形態は多様化するばかり。
「これさえやれば確実に数字が取れる」というドラマ作りの方程式は崩れ去り、テレビマンたちは新しいヒットを求めて腕試しを繰り返している。
長年テレビドラマをウォッチしてきたビデオリサーチの中奥美紀さんは傾向をこう語る。
「2010年代は転換期。クリエーターがトライ&エラーしながら成功への金脈を探る“知恵比べ”の時代に入ったと言えるでしょう」