女性はひそかに公安調査庁の協力者となっていたとみられるが、「スパイ」と報じられたことには首をかしげる人が多い。
「中国に頻繁に行くことが不自然ではない立場で、語学もできるので、公調が協力を依頼したのでしょう。ただ、協力者としてのランクは低い。現地に行く『ついでに』写真が撮れたら数万円で買い取る口約束をした程度で、訓練も受けていません。目立つ動きをしてバレてしまったのでしょう」(内閣府関係者)
一方、この女性以外に5~6月に中国当局に拘束されたと報じられているのは男性3人。神奈川県在住の元脱北者(50代)、愛知県在住の会社役員(50代)、北海道出身の元会社員(60代)とみられている。このうち愛知県在住の男性は、浙江省温州市沖の南キ列島にある軍事施設周辺で拘束された。多数の写真を撮っていたという。
「この男性は尖閣諸島に渡る漁船を監視する任務を負っていたという情報がある。本当であれば、かなり重要な協力者であり、立派なスパイだ。簡単には解放されないのではないか」(政府の情報収集活動に詳しいジャーナリスト)
※AERA 2015年11月2日号より抜粋