タイムを気にして走りながらも、パクリ。日差しが強く、汗だくのランナーたちにはのどごしのよいゼリー、くず餅などが人気だった(撮影/今祥雄)
タイムを気にして走りながらも、パクリ。日差しが強く、汗だくのランナーたちにはのどごしのよいゼリー、くず餅などが人気だった(撮影/今祥雄)
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 東京マラソン出場は今年も激戦。大会難民と化したランナーたちが向かった先は、地方だった。観光客ならぬラン光客をわが町に迎えようと、エイドステーションではご当地グルメでおもてなし。人は、走るために食べるのか。食べるために走るのか――。

「ごちそうさまでした!」

 かけ声とともにまた走りだすランナーたち。大福、せんべい、ゼリー、タルト、マドレーヌ。あらゆる種類のスイーツが並ぶここは、マラソンの「エイドステーション」だ。

 新潟市のデンカビッグスワンスタジアムで9月27日に行われた「スポーツ公園エンジョイラン2015」。今年で3回目の開催となったこの大会の目玉のひとつが、充実したスイーツのエイドステーションだった。新潟県菓子工業組合の協力のもと、県内20店ほどの菓子店から30品以上が提供された。

 足踏みしたり、後戻りしたりしながら、ランナーたちがエイドをうろうろし、スイーツを物色する。

「ルーテシアのはどこ?」と人気洋菓子店の品を狙い撃ちする参加者も。もちろん、食べ放題(?)だ。

 片っ端から食べていたのは、フルマラソン団体の部に参加していた20代の女性だ。口に放りこんで、またすぐ走りだすランナーを横目に、

「みんなまじめに走りすぎですよ。全種類制覇して、参加費の元をとらなきゃ」

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