強豪・南アフリカを破って日本中を沸かせたラグビー日本代表。23日の2戦目は敗れたが、「覚醒」の真価が問われるのはこれからだ。日本代表が力をつけた、その背景を追った。
【五郎丸、リーチ・マイケルらの写真満載! ラグビー日本代表のフォトギャラリーはこちら】
19日の南アフリカ戦。3点差をつけられていた試合終了直前、相手が反則を犯した。スタンドにいた日本代表ヘッドコーチのエディー・ジョーンズ(55)は指を3本立てた。
「3点を狙え」
ペナルティーゴールで引き分け狙いの指示だったが、選手たちは一時退場で1人少ない敵からトライを狙い、34対32で勝った。
勝敗を分けたこの瞬間、エディーと選手の間に溝が生まれたようにもみえる。でも、実際は違っていた。
「最後は選手の思ったようにやれ」
試合当日の朝、主将のリーチ・マイケルは、エディーからこう言われていたのだという。
「(日本代表の)選手には、世界を驚かせる力が眠っている。私は彼らに『起きなさい』と働きかけてきただけ」
エディーが言うには、日本の選手はスキルが素晴らしくポテンシャルも十分。ところが、世界を目指して一生懸命に取り組まない。