上智大卒の娘(22)が3社の内定を得た後は、父も含めて家族会議。転勤の有無や給与水準、やりたい仕事との距離感を話し合った。3人全員は納得して、就職先を決めた(撮影/編集部・直木詩帆)
上智大卒の娘(22)が3社の内定を得た後は、父も含めて家族会議。転勤の有無や給与水準、やりたい仕事との距離感を話し合った。3人全員は納得して、就職先を決めた(撮影/編集部・直木詩帆)
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 子どもの就職活動に、親の出る幕はなし…かと思いきや、人生の先輩として役に立てることもある。就活にいきづまった時に親のアシストで状況を打開した、大手消費財メーカー入社の母娘の体験談を聞いた。

 友人の娘の就職活動について聞いたとき、母(61)は真っ先に思った。

「自分の出る幕じゃないな」

 ウェブで何十社にもエントリーし、大量のエントリーシートを書く。仕組みも複雑だ。

「時代が違うし、ノウハウ的なことにはついていけない。その代わり、仕事に対する考え方、女性が働き続けるための心構えなどは、伝えようと思いました」

 大学院を卒業以来、イベント企画などを中心に総合職として働く。長男と長女を出産後も、保育園に預け仕事を続けてきた。

 母ゆずりの行動力を備えた娘(22)は、アルバイト、サークル、米国留学や被災地でのボランティアなど多忙な学生生活を送った。3年生の11月に学校主催のガイダンスに通うことから就活を開始。12月からは会社説明会やインターンにも参加し、金融やメーカーなどに興味を持った。

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