働く親にとって、PTA活動は敬遠したいもののひとつ。効率の悪さに辟易することもあるが、やり方や関わり方を変えることで、展望も開けそうだ。
都内のある私立小で昨年度、役員を務めた女性(39)は振り返る。IT企業に勤めており、このアナログっぷりに驚いた。
バザーの時、各家庭から回収した弁当の注文用紙も手作業で集計していたため、見かねてノートパソコンでエクセルに打ち込み始めたら、周囲から浮いてしまった。学校は個人情報保護法の関係で名簿を作っておらず、最初の保護者会で全員のメールアドレスを集めることから始めなければならなかった。
横浜市の女性も、名簿は手書き、連絡は「イエ電」、スケジュール調整のたびにPTA室のカレンダーを確認するため学校に出向く、という非効率なやり方に悩まされた。最たる非効率がベルマーク集め。各家庭から集めたベルマークを切りそろえ、種類を選別し、反り返るものを押さえながら、大量のセロハンテープを使って100枚ずつシートに貼る作業だ。
「貯金の感覚で子どもが貼るならまだわかるけど、なぜ親が。費用対効果で考えれば、一人150円ずつ払えば済む程度では」
『PTAをけっこうラクにたのしくする本』の著書がある編集ライターの大塚玲子さん(43)は、PTAの「無料会員枠」を提案する。
「会費は払えないけど手伝いたい、活動はしたくないけど会費は多めに払う、など多様な関わり方が認められていい。さまざまな事情を考慮して、会費徴収も活動も『強制』を見直すべきではないでしょうか」
※AERA 2015年5月4-11日合併号より抜粋