村上誠一郎(むらかみせいいちろう)/ 愛媛県今治市出身。1986年の衆院選で初当選し連続12回当選。大蔵政務次官、初代財務副大臣を経て2004年、小泉純一郎内閣で行政改革・地域再生・構造改革特区担当相、規制改革・産業再生機構担当相に。衆院愛媛2区。
村上誠一郎(むらかみせいいちろう)/ 愛媛県今治市出身。1986年の衆院選で初当選し連続12回当選。大蔵政務次官、初代財務副大臣を経て2004年、小泉純一郎内閣で行政改革・地域再生・構造改革特区担当相、規制改革・産業再生機構担当相に。衆院愛媛2区。

 もっと困るのは本人に何もないこと。一昨年の総裁選のときに「応援してくれ」とウチの事務所に来た。「応援するけど、自分の政策と自分の人事やれますか」と聞いたら「やります」と答えたから支持したのに、全くダメです。安倍さんのコピーどころじゃない。踏襲ばっかり。一生懸命応援しただけにがっかりしている。

 一番大切なのは財政再建と金融緩和の出口戦略、社会保障と税の一体改革と、もう一つは食糧安保なんです。ウクライナで顕在化したのは、これからは金のあるところしか食糧が買えない時代になるということです。今でも魚とか肉は中国に買い負けしている。中国は大豆を1億トンぐらい輸入している。日本はわずか300万トン。これ全部、買い占められたら、日本の食卓から納豆や味噌がなくなってしまう。自給率38%で非常事態が起こったときに、日本が一番餓死しやすい国になってしまう。防衛予算倍増で兵器は立派になっても国民が飢えてたら、第2の北朝鮮になってしまう。

 エネルギー対策も心配です。平時はいいけれど、食糧もエネルギーも有事になったときには一気に閉められてしまう。そういうことをきちっとやることが大事なのに、最近の政治はトピックばかり、メインじゃなくて些末で中心でないことばかりやっている。

 俺たち世代だけがよければいい、後は野となれ山となれ方式の政治や行政で、次の世代が助かるかなということです。せっかく総理になったのだから自分の政策、人事を行い、次の世代がどうやったら生き残れるか、一生懸命に取り組んでほしい。

(聞き手 本誌・村上新太郎)

週刊朝日  2023年3月3日号

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