いま一番国民が困っているのはインフレや物価高で生活苦です。それを差し置いて、岸田首相は国民の民意からどんどん離れてしまった。その最初の出発点は安倍元首相の国葬を内閣・自民党合同葬にすべきだと私は言ったのに、国葬でやってしまったこと。その辺りから国民の民意と乖離してしまった。

 もっと決定的なのは子育て支援。こども家庭庁で4・8兆円使う。これも財源がない。消費税何%上げなくてはならないの。こんな時期に上げて意味があるのか。特に少子化対策の問題点で考えなくてはならないのは、現金支給で本当に効果があるのか。調べたら、効果は限定的なんです。やっぱり一番大事なのは女性の人口とか婚姻率とかで、それをどうするかという対策はゼロなんです。

 自治体の少子化対策も東京都が5千円かける12(カ月)で6万円支給すると言っているけど、これは都のように財政に余裕があるところはできますけど、余裕のない自治体はできない。ますます地方の自治体間の格差が広がります。

 少子化対策の現実とギャップは財源問題なんです。財源は全然ないのです。例えば児童手当をもらったとしても、この国債のツケは誰が払うんだ。それを考えたら、次の世代は塗炭の苦しみになる。

 子育て世帯は全世帯の20%ぐらいです。そこに費用対効果で4兆円もつぎ込んで意味があるのか。防衛についても少子化についても、全く財源を考えないで突っ込んでいくのは、あまりにどんぶり勘定で、きちっとした組み立てとか積み上げの政策が全くなくなってしまった。防衛しかり、少子化対策しかり、身の丈に合った財政であるべきなのに、選挙のパフォーマンスのためにぶち上げている気がしてならない。それを非常に心配している。

 アメリカのように、頭脳とか労働力を移民に求めるかどうか考える時期にきている。このままでは単なる現金支給で、少子化対策になるとは思えない。

■政策に精通した司令塔を充てよ

 岸田首相の手法を見て、非常に心配している。大臣も秘書官もいろんなトラブルを起こしているが、もっと政策に精通した政策の司令塔を探さなくてはならない。これからの日本のグランドデザインをどうするか、そういうことを提言できる秘書官なりを探す必要があるのではないか。

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