「不惑」と言いながら、実際は惑うことも多い40代。そんな時、人は誰に声をかけてもらいたいのか。アンケートから意外な事実が分かった。
およそ5万1千回。この数字は、コピーライターの糸井重里さんが主宰し、「ほぼ日」の愛称で知られる「ほぼ日刊イトイ新聞」とアエラが共同で運営するウェブサイト「40歳は、惑う。」が、1月22日までにフェイスブックでシェアされた回数だ。
同サイトは、アエラ2014年11月3日号の特集と連動する形でスタート。女優の宮沢りえさんが糸井重里さんとの対談で40代について語り合った記事「試練という栄養。」も、糸井さんが思わず、「彼女ならではの魅力がにじみでてしまって、たいへんな人気の連載になってしまいました」と、ツイッターでつぶやくほど、たちまち話題になった。
同じくサイトで実施した、40代を中心にお金や健康、結婚観などを聞く「40歳のあれこれアンケート」の回答者も、30代や50代なども含め、計2万人を突破。「不惑」と呼ばれる40歳だが、実際は惑うことが多いというコメントやデータが多く集まった。
まずは、家庭や仕事などで悩んだ時に、「誰に『大丈夫だよ』と言ってほしいか」を聞いた。
著名人の中で最も多かったのは、糸井重里さん。回答者に「ほぼ日」の読者が多かったこともあるだろうが、このコラボのきっかけとなった、糸井さんのインタビュー記事「ゼロになって、ちゃんともがく」を読んでの反響も大きい。
この記事では、40代になると、いままでとは全く違うタイプの力を求められるようになるので、40 歳を超えた途端、「今までの円の中だけにいる」ことができなくなるし、通用しなくなることに気づく、ということが書かれていた。この内容に共感するという声が多かった。
話を聞くだけでなく「諭す」イメージが強い、美輪明宏さんやタモリさん、マツコ・デラックスさんなども上位に並んだ。きっと、さまざまな経験をしてきた「超越した存在」に、ガツンと言ってほしい40代が多いのだろう。
女性の回答比率が高かったからか、福山雅治さんや西島秀俊さん、竹野内豊さんといった人気俳優や、まだ40歳に届かない向井理さんや福士蒼汰さんの名前も挙がった。イケメンの一言で癒やされたい。それくらいお疲れなのだろうか。
今回のアンケートは、回答を芸能人に絞ったわけではない。全体で最も多かった回答は、「夫」「旦那」だ。既婚女性の回答が多かったからだが、イケメン有名人より「夫」が多いのには、何だかホッとした。
※AERA 2015年2月2日号より抜粋