日本に長期間住んでいる中国人が、新宿区での出馬を目指して動き出しているという。その真意とは。
東京一の繁華街、新宿・歌舞伎町で長く生活し、「歌舞伎町案内人」の異名を取る李小牧(リー・シャム)。日本語の著書は10 冊超。日本人の裏の裏まで知り尽くす。
李は6月、日本国籍取得の申請を提出した。順調ならば秋には認められる。来日20年以上で永住権もあるのに、なぜ?
歌舞伎町のど真ん中に李が開いた故郷の湖南省の料理を出す「湖南菜館」は、華人や中国通の日本人が通い、来日した改革派の中国人も来る「梁山泊」のような店だ。その店内で料理をつつきながら、李は語った。
「選挙に出るためです。来年4月の統一地方選で新宿区議会に立候補したい」
ニューズウィーク日本版にコラムを持つ李は、2月、半分冗談で「選挙に出たい」と書くと、友人たちから勧める声が相次いだ。東京五輪が近い。自分を育ててくれた歌舞伎町を、外国人がどんどん遊びに来てくれる街にしたい。外国人問題や日中関係にも取り組みたい。
「本気でしょうか」
コラムを読んだ海江田万里・民主党代表からメールが入った。国会で話を聞き、海江田は店にも来た。民主党からの出馬は決めてはいないが、国籍取得できれば選挙に出る決意は固い。
「日本では中国系の議員は珍しい。歌舞伎町の毛沢東になる」
※AERA 2014年7月14日号より抜粋